【臨場・劇場版・感想】倉石検視官は孤独死?誰が最後の声を拾うのか

単発スペシャル

2012年6月に公開された「臨場・劇場版」の放送が2020年1月26日夜9時からあります。この記事は犯人までわかるネタバレとなります。これからご覧になるかたはご注意ください。

 

「臨場」の倉石義男(内野聖陽)は、鑑識一筋、組織には馴染まない性格ですが、死体の目利きにかけては敏腕の検視官であり、彼が拾いあげた、遺体からの”最後の声”で事件が解決してくドラマの映画版です。

冒頭から、凄惨な通り魔事件によって突然奪われた命、そして犯人は刑法39条によって罪を問われない実行犯(柄本佑)だったのです。被害者にとっては絶望的な不条理が、繰り広げられ、すぐに映画の中に引き込まれます。

この冒頭シーンは栃木県の宇都宮の商店街でおこなわれ、エキストラ300人、4日間撮影したそうで、セットは撮影が終わるまで24時間体制で警備がついたそうです。

大変な迫力で最後までその緊迫さが残ってました。

原作は、横山秀夫の『臨場』。ドラマ第一章は、2009年4月15日から6月24日まで「水曜21時」枠で放送され、大好評だったため続章が決定し、2010年4月7日から6月23日映画フィルム調の画質にした映像で放映され、平均視聴率17.6%2010年の連続ドラマでは唯一16%超え(NHKも含む)したドラマです。

倉石検視官の「お前の人生、根こそぎ拾ってやる」「俺のとは違うなぁ・・・」の言葉が絶妙で、遺体から拾った、ほんの少しの気になることでも必死になるところが魅力の一つです。

ドラマ第2章の後半から、倉石の体調が悪かったんですが、この劇場版で末期がんであることがわかります。

劇場版の最後、小坂が倉石の携帯(当時折りたたみ式)に連絡しますが、全く出ず、倉石の部屋は身辺整理が終わっていたかのように綺麗に片付いていました。

もうこれで終わりなのですかね。映画が放映されると次のシーズン(2020年4月から)でドラマ続編があるのかな?と期待してしまいますね。

でも「俺のとは違うなぁ・・・」をまた聞きたいです。

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臨場・劇場版あらすじ・ネタバレ

冒頭、東京・吉祥寺の広場で突然バスが突っ込んできた。バスの中から全身血まみれの若い男(波多野進・柄本佑)が下りてきて、ナイフで近くにいる人に襲いかかる。

そこで目に入ったのはベビーカーの傍にいる母親で走って近寄り、母親の背中を刺す。そこに「やめて!」と叫んだ若い女性の声が。波多野はその女性の元へ走り、何回も刺した。

無差別通り魔事件が突如発生した。死者4名、多数の重軽傷者を出して逃亡した犯人の男は現行犯逮捕された。

「やめて!」と叫び、波多野に殺された女性は、関本好美という女性。母・直子(若村麻由美)は号泣する。

現場に、鑑識課・倉石班の倉石検視官、検視官心得の小坂留美、検視補助官の永嶋武文たちが臨場。死体の検視を行う。

通り魔事件の犯人波多野は、心神喪失者で無罪となる

犯人は波多野進だった。波多野は取り調べ室で「天…神…お告げ…」と訳の分からない言葉を口走った。それを見ていた立原(高嶋政伸)とその上司は、刑法第39条に当たる可能性があると困惑しました。

刑法第39条とは「1.心神喪失者の行為は、罰しない。2.心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」というもの。

2年後、通り魔事件に関係した2人の殺人事件が発生

 

通り魔事件から2年後、波多野の弁護士だった高村と精神鑑定を行った医師の加古川が殺害される事件が発生した。

弁護士・高村則夫は、倉石と小坂が検死を行った。倉石は高村のズボンのシミに着目する。また4か所とも動脈損傷だった。

直腸温度と肝臓の温度に差があり、二つの死亡推定時刻が考えられた。

警察は波多野に殺された被害者の遺族が犯人であるとにらんだ。しかし大石は「死体に細工する家族はいない」と否定する。

その数日後、神奈川県警の管轄内で、精神科医の加古川有三が殺された。捜査を担当したのは、神奈川県警刑事部捜査一課の管理官・仲根達郎が率いる刑事たちだった。

倉石は、刺殺された精神科医の加古川の遺体を司法解剖したのが安永教授だと聞いた。安永は倉石の恩師だった。

高村弁護士の刺殺方法がよく似ているので、安永教授に会いにいく。

解剖の結果を安永教授は倉石に説明する。2つの遺体が4つの動脈損傷している手口が酷似していることを再確認する。

殺された2人は2年前の無差別通り魔殺傷事件と深く関係していた。犯人の波多野の弁護をしたのが高村弁護士で、彼の弁護側精神鑑定を行ったのが加古川医師だった。

安永は、倉石と同じ末期がんだとわかる。

倉石は恩師・安永教授の家を、加古川の家で見つけた店で買った総菜を手土産に訪ねていました。

安永教授も暗い過去を持っていた。彼は以前、外科医だったが、家庭を顧みず、何も相談できないと思い悩んだ妻は精神疾患になり、自殺してしまった。

安永教授は妻の死に強い自責の念があり、外科医をやめ、法医学に転身した。

加古川の検死情報を確認したとき、倉石は、1枚の解剖後の遺体の縫合後写真に目を留めていた。安永教授がしたものとは思えない杜撰なものだった。それが疑念に変わる。

倉石はごみ箱に薬が入っていた袋を見つける。それは倉石も飲んでいた薬と同じだった。

殺された弁護士と精神鑑定医は別な事件にも関わっていた

倉石は、高村と加古川が扱った他の事案の中に恨みを持つ奴がいるんじゃないか」と推察します。立原は、今回の被害者2人が関係していた8年前の女性殺人事件のことを話す。

それは仲根が誤認逮捕した事件だった。きつい尋問を受けた被害者の元恋人・浦部翔太は、嘘の自白を強いられ、「お父さん、たすけて」という文字を壁に刻み、拘置所で自殺していた。

父・浦部謙作は当時、神奈川県警の刑事だったが、今、地域課駐在所で勤務している。立原は一ノ瀬に浦部をマークするように命じる。

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小坂は物的証拠をさがす

小坂は、自分たちで割り出した、2つの死亡推定時刻の謎についての倉石に説明する。

高村の場合は「犯人は直腸内温度を下げるため氷を入れ、それをごまかすためお茶をかけた」、

加古川の場合は「犯人は直腸内温度を下げるため、揮発性の高い消毒用アルコールを使った」

2人の推論に倉石は頷いた。また、そのようなことができる人物は、法医学に精通する人物・安永教授でしかないと倉石たち3人の推論は合致した。

しかし、物的証拠がなかった。

署に帰った小坂は、一ノ瀬の強力を得て、倉石が倒れた店の前の防犯カメラから、事件当日の昼、殺された高村弁護士はその店で昼食をとっており、そのあとを犯人らしき男が入っていく様子が映っていた。

小坂はその店の遺留指紋を取らせてほしいと立原に懇願し、立原はそれを許可した。

浦部が仲根に復讐しようとする。

波多野は、医師たちの付き添いの下、関本好美のお墓参りに行くと、好美の母・直子が駆け込み、持っていたバッグを投げつけ、「帰れ!帰れ!でないとこいつを殺してしまう」と大声で泣き叫けぶ。しかし刃物はもっておらず追い返しただけだった。密かにマークしていた仲根たちの読みはハズレた。

立原たちは浦部の駐在所で置き手紙を見つける。「私はこれから波多野を殺す。すべてを潰してやる。警察の威信も信頼も。これは40年間、沈黙してきた私の復讐だ」と書かれていた。

立原たちは、直ぐに波多野が入院している病院に向かい、仲根にもその事を伝え病院へ向かう。

波多野が病院に着き、車から降りると、浦部は躊躇なく、波多野を銃で撃る。

仲根は浦部を追い、病院の屋上に行くと、背後から浦部に銃を突きつけられる。浦部の復讐したい相手は仲根だった。自分の息子を嘘の自白に追い込んだ張本人だったからだ。

しかし立原から「こんなことが息子さんへの償いになるのか!その男にも家族がいる。あんたがその引き金を引いたとたん、今度はその家族があんたと同じ地獄を見ることになる」と彼を説得した。浦部は最後、銃で自分の頭を撃ち抜き、自殺してしまった。

安永教授の供述・安永は通り魔事件の現場にいた。

 

 

 

 

 

 

小坂たちはうなぎやで安永教授の指紋を発見できた。

安永教授は教会に入る。浦野に撃たれた波多野の肩の傷を応急手当する振りをして麻酔を注射し、「これから君がきちんと2年前の償いをする手助けをしてあげようと思っているんだ」と言う。

波多野はか細い声で「僕は正気じゃなかった」と呟やく。しかし安永教授は笑って「君の演技力には、ほとほと感心するよ。私も騙されかけた。…犯した罪は償わなければならない。それが人としての、あるべき姿だ」といい刃物で殺そうとする。

倉石が入ってきた。安永教授の加古川の解剖後の縫合の仕方が杜撰で、死者に対して労りがなく、逆に悪意にも似た感情を抱いているように見えたので、犯人は安永と思っていた。

安永教授は倉石に、犯行に及んだ理由を吐露し始める。

じつは2年前の通り魔事件の現場に安永教授はいた。

そこで「死にたくない…」と呟きながら死んでいった母親の姿に、自分の亡き妻の姿を投影した。そ安永は現場で何もせずに逃げた自分を責めていたのだった。

末期癌で余命半年と宣告された安永は、波多野が裁判所で第39条が適用され無罪を宣告されたとき、ふと笑みをこぼしたのを見ていた。

その笑みが安永には脳裡から離れず、彼は弁護士・高村と精神鑑定医の加古川の所に行き、その事実をつたえところ2人は知っていたのだ。安永は、高村と加古川は法や倫理を無視し、自分たちの利害だけを考えていることが許せなかった。

安永は残り少ない人生の中で自分のやるべき事は、被害者の無念をはらすために、2人を殺したのだった。

安永は波多野から倉石を守って死ぬ

恩師・安永の供述を聞いた倉石は「死者の声に静かに耳を傾ける。そう胸に刻み込んだのは先生、あんたなんだ。…だが、今のあんたはなんだ…何が被害者の最期の声に応えるだ…ふざけるんじゃねえ!」

倉石は安永を説得する。安永は、ナイフを机に置き、思い直したが、そこに背後で目を覚ました波多野が起き上がり、ハサミで倉石を刺そうとするが、安永は倉石を庇い、波多野に刺殺してしまった。

しかしこのとき、倉石も波多野と格闘中、隙をつかれ、ハサミで背中を刺されてしまう。

波多野は「お前を殺しても僕はまた無罪だ」と笑みを浮かべ呟き、倉石にトドメを刺そうとするが、倉石は素手で凶器を掴み、波多野と対峙する。

倉石は波多野の顔面を思いっきりはたいた。波多野は倒れ込み、ついに現行犯逮捕。

殺された恩師・安永の遺体を、倉石は最後の声をきくために検死を行った。

好美はなぜ吉祥寺に来ていたのか?

 

 

 

 

 

 

倉石は吉祥寺の2年前の殺人事件の現場に行く。被害者・関本好美の母・直子がやって来た。

倉石は「もしかしたら、この街のどこかに、娘さんの最期の声が残っているのかもしれないなあ」と言いました。

母・直子は倉石の言葉を脳裡に街を彷徨い、歩くとある店のシャッターに絵が描かれていた。その絵は亡き娘・好美の絵だった。直子は娘の最期の声を聞き、泣き崩れる。

倉石は、静かにその場から立ち去る。

倉石は死んだのか?

小坂は倉石に電話をしましたが、呼び出し音だけが鳴っている。小坂は心配になり、倉石の家に行くが姿はなかった。

ここで劇はおわります。

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登場人物

 

 

 

 

倉石義男(内野聖陽)

鑑識畑一筋、組織には馴染まない性格だが、死体の目利きにかけては他の追随を許さない敏腕検視官。無差別殺人で妻を亡くし、その最後の声を拾えなかった悔恨が、検視官を志すきっかけとなった。検視を行うときは、まず最初に被害者に手を合わせ、哀悼の意をささげることをとても大事にしている。

 

 

 

 

立原真澄(高嶋政伸)

倉石の警察学校からの同期。毅然とした仕事ぶりで捜査一課のエース

 

 

 

 

小坂留美(松下由樹)

倉石を尊敬し、彼のような検視官になることを目指す努力家

 

 

 

 

関本直子(若村麻由美)

連続通り魔事件で犠牲者になった娘の母親

 

 

 

 

波多野進(榎本佑)

吉祥寺で4名が殺害し逮捕されるが、心神喪失が認められ刑法39条が適用され無罪に。医療観察措置法のもとで病院で治療を受ける身

 

 

 

 

浦部謙作(平田満)

駐在所勤務の警察官、8年前無実の息子を助けられず死においやってしまった自責の念にかられながら警察官を続けている。

 

 

 

 

 

安永泰三(長塚京三)

検視官になるための研修中に倉石が師事した恩師。県警の依頼で、神奈川で発生した精神科医・加古川の司法解剖を担当

 

 

 

 

 

ノ瀬和之(渡辺 大)

幹部候補として1年半にわたり所属した鑑識課で、ときに反発しながらも倉石から大いに薫陶を受けた門下生、立原の引き抜きで捜査一課へ異動

 

 

 

 

 

永嶋武文(平山浩行)

強盗殺人事件で父親を亡くしたことを境に、不良から警察官を志した「改心組」地域課勤務から倉石の下に配属された。”遺族”ゆえに捜査へ私情を挟んでしまうことも

 

 

 

仲根達郎(段田安則)

神奈川県警捜査一課の管理官。辣腕刑事として、数々の事件を解決してきた。倉石の型破りな言動に思わず感情的になる場面も

感想(倉石はどうなったのか?推察)

はたして倉石は死んでしまったのでしょうか?波多野に背中刺されてますが、安永の検視が終わるまで誰にも言わなかった倉石。(血はでてなかったのか?気になりましたが)

最後まで自分のやれることを全力で全うした姿は心を打ちました。鑑識係はよく刑事ドラマに出てきますが、亡くなった方がいつ、どうして死んだのか、証明してくれる人達なんですね。その中でも検視官の見立ては重要。検視官は医師でなくてもなれるのですね。Wikiで調べました。

 

刑事訴訟法229条によって、検察官が変死者又は変死の疑いのある死体(変死体)の検視を行うこととされている。しかし、同条2項によって、検察事務官または司法警察員にこれを代行させることができるとされており、一般的に司法警察員である警察官が検視を行っている。検視、検死とは、もとの表記は検屍と書かれていたが、屍(しかばね)という漢字は当用漢字に入っていなかったため、検視または検死に書き換えられている。

そのため、検視を担当する警察官のことを「検視官」と呼称している。「検視官」はあくまで組織上の名称であり、こういった資格が存在するわけではない。

資格[編集]

警視庁・道府県警察本部刑事部の捜査第一課あるいは鑑識課(大阪府警察にあっては「刑事部の検視調査課」)に所属している。警察大学校において法医学を修了した警部または警視の階級を有する者が刑事部長によって指名される。したがって、医師資格は必要とされない。

https://ja.wikipedia.org/wiki/検視官

 

また連続通り魔の犯人約の柄本佑さんには驚愕しました。すごい迫力で完全に異常者になりきっていたと思います。この映画の主役は倉石ですが、準主役は柄本さんですよね。最後の倉石との対決ではやっぱり倉石の圧倒的な存在感がすごかったです。

とても心に残る映画でした。

倉石はおそらく緩和ケアのある病院で最後を1人で迎えたのではないでしょうか。奥様と会えているとよいですね。自信もって「精一杯生きた」と言ってほしいです。

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